福島ロボットテストフィールドに納入したドローン用風洞施設の内観

Drone Wind Tunnel

本物に近い風を、つくる。ドローンのための風洞施設。

現場の風は、いつも揺らいでいます。
突風・脈動風・勾配風まで再現できる風洞施設を、風洞専門メーカーが設計・製造。
貴社のドローン開発・検証に、“再現できる風”をお届けします。

施設づくりを相談する

風速5m/s——
多くのドローンが「飛行中止」になる風

一見おだやかでも、ドローンにとって風は大きな壁です。
国交省の標準「無人航空機 飛行マニュアル」では、風速5m/s以上の状態では飛行させないとされています。
ただし、製造者等が定める取扱説明書等にて確認している場合は例外が認められます。

強風のなかで飛行するドローン

風は、思っている以上に手強い

  • 国土交通省の指針では「風速5m/s以上で飛行させない」が基準
  • 瞬間風速は平均の1.5〜3倍。
    上空ほど風は強く、建物周りは乱気流
  • 公称の耐風性能を超えると、墜落・姿勢の乱れ・測量精度の低下につながる可能性
風洞施設で制御された風のなか試験されるドローン

風洞施設があれば

  • 狙った風速・乱れ・勾配を“設定”して再現
  • 何度でも同じ条件で比較・データ取得
  • 囲われた空間で、安全に限界まで検証

開発も運用改善も、
“再現できる風”で前に進む。

大学・研究機関でも、ドローンの耐風性能評価や上空風観測の精度検証に風洞実験が用いられています。

※(出典はページ下部)

Specification

自然界の“荒れた風”まで
再現する送風力。

風洞施設の外観
送風機
最大風速

20 m/s

吹出口寸法

3.0m(W)
×
3.0m(H)

特殊機能

突風/
脈動風勾配風

これは福島ロボットテストフィールドに納入した施設の一例です。
大型機や複数機も飛ばせる広い開口。
用途に応じて、風速・開口寸法・特殊機能を設計します。

納入した風洞施設の内観

Our Strength

「本物に近い風」を、設計から。

メーカー公称の耐風性能は、滑らかな一定風の中で測られた値。実際の空は、突風と乱流でできています。
だから、“揺らぐ風”まで再現できるかどうかで、試験で得られるものが変わります。

拡散胴・整流胴・縮流胴の構造

気流精度を追い込む設計


拡散胴・整流胴・縮流胴で、
狙った“質の風”をつくり込みます。

打合せ・設計図面

実験者視点のオーダー設計


実際に使う立場から、
目的に合わせて一から設計します。

突風・脈動風のイメージ図

“揺らぎ”まで再現する技術


突風・脈動・勾配など、
自然に近い風を再現できます。

これまでに手がけた風洞施設

半世紀の技術基盤


建築分野の風洞実験を半世紀にわたり
手がけてきた豊富な実績と風の知見。

自然の風に近い
“揺らぎ”まで再現する。
それがWINDECの設計力です。

What It Enables

この施設で、検証できること

強風下で姿勢を保つドローン

耐風安定性・姿勢制御


強風・突風下でも安定して
飛べる領域を把握

風応答制御アルゴリズムの検証

風応答制御アルゴリズム


自動航行・ホバリング制御を
定量評価し改善

プロペラ・機体の空力試験

機体・プロペラの空力


設計変更の効果を同条件で比較検証

散布・積載など実運用状態

運用条件の最適化


積載・散布など実運用状態での
最適条件を発見

Use Cases

農業ドローン

農薬・肥料散布の“ムラ”を
事前に抑え、散布効率を上げる


風で散布パターンが乱れ、ムラやドリフト(薬剤の飛散)が生じます。風洞施設があれば、風の影響を再現しながら飛行高度・速度・散布条件を検証でき、撒きムラや無駄を抑える最適化にご活用いただけます。

“読めない風”を再現し、
狙い通りに制御する力へ。

物流・配送


ビル風・突風の多い配送ルートでの安定運航を検証。欠航や再配達を減らし、稼働率と定時性を高めます。

インフラ点検


橋・鉄塔・送電線まわりの乱気流でも安定ホバリング。ブレのない撮影・計測で点検精度を上げ、再飛行を減らします。

測量・空撮


風による姿勢の乱れは点群・オルソ画像の品質低下に直結。風条件ごとの限界を把握し、必要精度で“一度で取り切る”運用へ。

機体開発・研究


プロペラ・機体形状・制御を同条件で反復検証。風洞データで設計を詰め、開発サイクルを短縮します。

認証・実証/訓練


運航許可・実用化前の耐風実証データを取得。操縦者の強風対応トレーニングにも活用できます。

Type Certification

型式認証の取得には、
耐風性能の実証が求められます。

ドローンの型式認証(量産機の安全性について国が与えるお墨付き)では、
機体が規定された最大許容風速の下でも安定して飛行できることを、試験データで示す必要があります。
屋外では“狙った風が吹くまで待つ”しかないその条件を、風洞施設なら何度でも同じようにつくり出せます。

01

耐風性能試験


規定された最大許容風速の下での飛行・安定維持性能を検証します。

02

重心変化・耐荷重時の安定性


最大離陸重量(MTOW)状態や、前後左右への重心移動時の挙動を確認します。

03

フェールセーフ動作の確認


通信途絶時の自動帰還(RTH)やGNSS喪失時の姿勢制御を、風のある状態で確かめます。

04

限界数値データの取得


許容限界風速など、飛行規程に記載する運用限界の裏づけデータを取得できます。

※ 型式認証の審査は国土交通省または登録検査機関が行い、試験の実施・データ取得はお客様(申請者)の領域です。WINDECは、そのために必要な“風をつくる環境”を設計・製造します。具体的な試験要領・要求数値は、国土交通省の技術基準ガイドラインにもとづき個別に確定します。

In Action

実際に納入した施設で、
試験されるドローン

※福島ロボットテストフィールド様Youtube動画より

風洞施設内で試験されるドローン
送風下での飛行姿勢の確認
計測機器を用いた試験の様子

※福島ロボットテストフィールド様より画像提供

風洞実験装置の製作風景

Track Record

半世紀の風洞技術が、
この施設を裏づける。

風洞実験装置の納入

280件以上

(1975年〜)

実験模型の製作

6,000体以上

(1994〜2026)

ご導入いただいた大学

50校以上

(1994〜2026)

主なお取引先

国立大学をはじめとする学術機関(50校以上)、
研究施設、大手建設会社、大手建材メーカーなど、
幅広い分野にご導入いただいています。

※ 航空・宇宙、スポーツ空力の研究機関を含む幅広い実績が、ドローン用施設づくりを支えます。

Reference Guide

風速と
ドローン飛行
の目安

風速の目安 体感 ドローン運用の目安
〜3 m/s 穏やか 安定して飛行しやすい
5 m/s 前後 砂埃が舞う 国交省指針の「飛行中止」目安
8〜12 m/s 強い風 産業機の公称耐風の上限域(一定風での値)
突風・乱流 予測困難 公称値内でも墜落・精度低下のリスク

※各出典(国土交通省航空局/各社仕様 ほか)をもとに作成した目安です。実際の可否は機体・条件により異なります。

FAQ

よくあるご質問

屋外での実飛行試験と、風洞施設での試験は何が違いますか?
屋外は狙った風が吹くまで待つしかなく、同じ条件を再現できません。風洞施設なら、風速・乱れ・勾配を設定して何度でも同条件で試験でき、囲われた空間で安全に限界まで検証できます。
突風や乱流も再現できますか?
はい。当施設は突風・脈動風・勾配風を再現できる設計です。メーカー公称の耐風値は一定風で測られたものなので、実際の“揺らぐ風”を再現できることが、意味のある試験には重要です。
風洞施設の設計・製造はどこまで対応できますか?
目的・機体・設置環境に合わせて、風速・開口寸法・特殊機能まで一から設計・製造します。構想段階からご相談いただけます(納期は仕様により個別にお見積り)。
上空の風は地上と違いますか?
はい。上空ほど風は強く、瞬間風速は平均の1.5〜3倍になることも。建物周辺はビル風・乱気流で不規則になるため、地上の風速だけでは判断できません。
型式認証の取得に、風洞施設は役立ちますか?
はい。型式認証の審査では、規定された最大許容風速の下での飛行・安定維持を示す「耐風性能試験」のデータが求められます。屋外では同じ風を再現できないため、風洞施設があれば必要な条件を設定して繰り返し検証でき、飛行規程に記載する運用限界の裏づけも取りやすくなります。なお審査は国土交通省または登録検査機関が行い、試験の実施はお客様の領域です。
試験や解析の代行もお願いできますか?
弊社は、風洞施設の設計・製造を担います。試験・計測・データ解析や運用の最適化そのものは、施設をお使いになるお客様側で行っていただく領域です。私たちは、目的の試験に適した“風をつくる環境”を、設備面からしっかり支えます。

Contact

建築風洞の豊富な実績 構想〜設計・製造までワンストップ 実験者視点の専門設計

貴社専用の、ドローン風洞施設を。

目的・機体・設置環境に合わせて、風洞施設を設計・製造します。構想段階からお気軽にご相談ください。

施設についてお問い合わせ 風技術センターの製品・実績を見る

References

出典・参考文献

  • 国土交通省 航空局「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」ほか(風速5m/s以上での飛行に関する運用基準)
  • 佐々木寛介・志村智也・井口正人・井上実「ドローンによる上空の風観測手法の検討」京都大学防災研究所年報 第63号 B, 2020
  • 国土交通省「無人航空機型式認証等対象機体の安全基準及び均一性基準」ほか型式認証に関する技術基準ガイドライン
  • 各社ドローン製品仕様書(一般的な産業機で耐風12m/s前後)/Beaufort 風力階級の適用に関する公開情報

※ 数値は各出典の公開情報にもとづく一般的な目安です。実際の耐風性能は機体・条件により異なります。